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Cマイナーコード:転回形について

c minor chord

ある曲が、その他の曲よりも感情的で悲しく聞こえることがあります。この理由のひとつとして、曲中に使われているピアノコードの種類が関係している可能性があります。

この記事では、Cマイナーのコードとその転回形について解説します。Cマイナーは西洋音楽における歴史の中で最もよく使われた和音のひとつです。ベートーヴェンの「交響曲第5番」や、サバイバーのヒット曲「アイ・オブ・ザ・タイガー」、ショパンの「プレリュード作品28第20番『葬送行進曲』」、アデルの「ローリン・イン・ザ・ディープ」など、数え切れないほどの曲がCマイナーで書かれています。Cマイナーのコードを学ぶことで、あなたのピアノ演奏に新たな可能性が広がり、有名な曲のいくつかを演奏することができるようになります。

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Cマイナーコードとは?

Cマイナーコードは悲しみを連想させるため、切ないラブソングによく登場します。アデルの大ヒット曲のひとつである「ローリン・イン・ザ・ディープ」ではCマイナーコードが多用され、曲の情感を高めています。

3つの音から作られているこのコードの基本を理解すれば、この3つの音の位置を変えることで「コードの転回形」を作ることができるようになります。Cマイナーコードの成り立ちを理解するために、まずはじめに「Cメジャーコード」と比較してみましょう。

Cマイナーコードの構成音について

音符を見てみると「Cメジャーコード」と「Cマイナーコード」の間には、とても重要な違いがひとつだけあります。それは第3音です。どちらのコードも、ルート音(ド)は同じで、第5音(ソ)も同じです。しかし、Cメジャーコードの第3音は「ミ」ですが、Cマイナーコードの第3音は「ミ♭」です(Cマイナーコードの第3音は、メジャーコードの第3音より半音下がっているということです)。

見た目では大した違いはないと思われるかもしれませんが、実際にはこのたったひとつの違いが、コードの持つ感情的な力を大きく変えています。コードの性格と響きを完全に変えてしまっていると言ってもいいでしょう。「Cマイナーコード」を作る3つの音は以下の通りです。

ド – ミ♭ – ソ

この3音による「Cマイナーコード」を理解し、弾くことに慣れると、さらなる発展につながります。たとえば、この音を両手で弾くこともできますし、いっぺんにこの音をおさえるのではなく、1音ずつ弾くことで、いわゆるアルペジオやブロークンコードを作ることもできます。また、「Cマイナーコード」の転回形を弾くこともできるようになります(転回形については後述します)。

ピアノで「Cマイナーコード」の見分ける方法

ピアノでCマイナーコードを見分けるには、まずルート音を見つける必要があります。Cマイナーコードは3つの音で構成されています。特に「ミ♭」に注目してください。「ミ♭」はピアノの黒鍵のひとつで、Cマイナーコードの響きを Cメジャーコードとは違うものにしています。真ん中の「ミ♭」は白鍵の上にある黒鍵であるため、Cマイナーコードを弾くときは手の位置が違うことに注意しましょう。

コードを弾く練習で重要なのは、鍵盤を見過ぎないようにすることです。常に正しい 手の位置と座り方を意識しましょう。これに慣れると、楽譜を見ながら弾いたり、ステージで演奏するのがしやすくなります。また、バンドやオーケストラで演奏する際に、他のミュージシャンとのコミュニケーションも取りやすくなるでしょう。視覚だけでピアノを弾くのではなく、手の感覚でピアノを弾けるようになることが非常に重要なのです。

Cマイナーコードの指の位置

Cマイナーコードを弾く際の指の位置は、Cメジャーコードとかなり似ています。つまり、Cメジャーコードのアルペジオ、ブロークンコード、コード転回、コード進行などで学んだ指使いは、すべてCマイナーコードにも応用できるのです。言語やサイエンスを学んだりするのと同じように、新しい概念を学ぶ時は、それをまったく新しい考えとして考えるよりも、すでに知っている情報を土台にしたほうがずっと簡単に感じられるものです。

このように、Cマイナーコードの指の位置は、第3音の「わずかな」違いを除けば、ほぼ同じと言えます(しかし、これはとても大きな違いでもあります)。真ん中の指で黒鍵(ミ♭)をおさえるので、黒鍵に届きやすいポジションを意識しましょう。人間の手の形を考えると、その指の位置は自然な形になるので、ぎこちなく感じることはないはずです。

Cマイナーコードの転回形

コードの転回形というのは、そのコードの最低音と他の音との関係で決まります。すでに解説したとおり、Cマイナーコードには3つの音(ド-ミ♭-ソ)が含まれていますが、この3つの音のうち、どの音を最低音にするかによって転回形が決まります。「ド-ミ♭-ソ」の中の「ド」を最低音として弾くと、ルートポジション(基本形)でCマイナーコードを演奏していることになります。

楽譜やコード譜には、どの転回形で演奏すべきかを示す記号があります。まず、コードの名前があり、それがメジャーコードなのかマイナーコードなのかが分かります(Cメジャーの場合は「C」、Cマイナーは「Cm」と書かれます)。ここで斜め線(スラッシュ)が書かれていることがあり、その場合は2つ目の記号が書かれています。これは「コードがどの転回形になっているか」を示しています。たとえば、「Cm/Eb」はCマイナーコードの「第1転回形」を意味します。「Cm/G」はCマイナーコードの「第2転回形」です。この表記では「ソ」が最低音になります。

Cマイナーコードの各転回の弾き方のコツをつかんだら、それを他のコードにも応用することができるはずです。「コードの転回形は、常に最低音で決定される」ということを覚えておいてください。

「Cm」のルートポジション(基本形)

「コードがルートポジションにある」と言う場合、コードの第1音が最も低い音であることを意味します。Cマイナーコードのルートは「ド」なので、もし「ド」が最低音であればそのCマイナーコードはルートポジションになります。コードの他の2つの音(ミ♭、ソ)がどのような形で出てきても、「ド」が最低音である限りは、このコードはルートポジションにあることになります。

Cm – Root position

Cm – Root position

「Cm/Eb」- 第1転回形

第3音が最低音の場合、そのコードは「第1転回形」になります。Cマイナーの場合は「ミ♭」を最低音にして、その上に「ソ、ド」を置きます。「ソ」の次に「ド」が来るのが一般的ですが、それは弾きやすいからというだけで、必ずしもそうである必要はありません。「ミ♭」が一番下の音である限り、それはCマイナーの「第1転回形」になります。マイナーコードの第1転回形を弾いてみると、ルートポジションよりも強い響きにならないことにお気づきかもしれません。これは第3音と第5音の間隔が変わり、広くなったからです。そのため演奏が少し難しくなり、運指を変える必要が出てきます。「ソ」と「ド」の間が広くなっていることにお気づきでしょう。

Cマイナーコード

「Cm/G」- 第2転回形

第5音を最低音にすると、そのコードは「第2転回形」になります。Cマイナーでは「ソ」が一番下の音になり、その上に「ド、ミ♭」という形になります。この「第2転回形」は、転回形の中で最もパワフルなものとして扱われています。それは、ルート(第1音)よりも下に第5音があることで豊かな響きが生まれ、曲がとても力強いものになるからです。マイナーコードの「第2転回形」を使うときは、トップノート(最高音)である第3音が半音下がることを確認しましょう(下記の通り、Cマイナーなら「ミ♭」です)。そうしないと、マイナーコードではなくメジャーコードになってしまいます。

Cm/G – Second inversion

Cマイナースケール上のコード

Cマイナースケールにあるコードの多くは、 Ebメジャースケール上にもあります。これは、CマイナースケールがEbメジャースケールの近親調(平行調)だからです。このテーマにまつわる音楽理論は少し複雑で、どのタイプのマイナースケールを使って和音を形成するかによって重複するコードは変わってきます(マイナースケールには「ナチュラルマイナー」、「 ハーモニックマイナー」、「メロディックマイナー」が存在します)。ナチュラルマイナーのCマイナースケールを例にとると、コードは次のようになります。

  • Cマイナー (ド-ミ♭-ソ)
  • Dディミニッシュ (レ-ファ-ラ♭)
  • Ebメジャー (ミ♭-ソ-シ♭)
  • Fマイナー (ファ-ラ♭-ド)
  • Gマイナー (ソ-シ♭-レ)
  • Abメジャー (ラ♭-ド-ミ♭)
  • Bbメジャー (シ♭-レ-ファ)

Cマイナーのコード進行

マイナーキーのコード進行は、メジャーキーのコード進行とはかなり異なります。これはマイナーキーの場合、和声のルールの多くが変わってくるためです。一般的なコード進行が機能しなくなったり、自分が期待していたものと大きく違って聞こえたりすることがあります。コード進行はローマ数字で表記されることも多いので、ここでご紹介します。たとえば、ピアノでよく使われるCマイナーのコード進行には次のようなものがあります。

  • I – VI – III – VII = Cm – Ab – Eb – Bb
  • I – IV – I – VI – V7 – I = Cm – Fm – Cm – Ab – G7 – Cm
  • I – IV – V = Cm – Fm – Gm
  • I – VI – III – IV = Cm – Ab – Eb – Fm

Cマイナートライアド:トライアドとコードの違いとは?

すべてのトライアドはコードですが、すべてのコードがトライアドではないことをご存知でしょうか?

トライアドは基本的に3つの音しか持たない和音で、これらの音は「3度」で構成されなければなりません。したがって、以下の例では「Cマイナーのトライアド」は「Cマイナーコード」とまったく同じです。この「Cマイナーのトライアド」の上に「ド」を追加した場合は、4つの音があることになり、これはトライアドではなくなります。また、これに「シ♭」を加えると「Cマイナーセブンスコード」になり 、これもトライアドではなくなります。(ちなみにCマイナーセブンスのようなコードは、 ピアノではジャズコードとしてよく使われます)

The C minor triad

Cマイナーコードでポピュラーな曲を弾いてみよう

Cマイナーのコードを使う曲は多くはありませんが、EbメジャーキーやCマイナーキーの曲を探してみましょう。Cマイナーコードをピアノで弾けるようにするために、以下の例をチェックしてみてください。

ゲーム・オブ・スローンズのテーマ

「ゲーム・ オブ・スローンズ」ほど素晴らしいテーマ曲を持つドラマシリーズはなかなか見られません。このテーマに大きなインパクトがあるのは、ルートポジション(基本形)のCマイナーコードから始まり、アルペジオを経て、徐々に私たちが知っている壮大なテーマへと変化していくからです。ひとつのコードを両手に分けて弾くことで、聞く人だけでなく演奏する側にとっても、この曲のインパクトが増していくことに注意して弾いてみましょう。

曲を学ぶ

アデル「ローリン・イン・ザ・ディープ」

アデルの「ローリン・イン・ザ・ディープ」は、Cマイナーで書かれた最も有名な曲のひとつです。この曲には、いわゆる「パワーコード」が多用されています。この曲におけるパワーコードとCマイナーコードの役割については、Skoove アプリでしっかり学ぶことができるので、ぜひお試しください。

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ドビュッシー「月の光」

この曲ではCマイナーのピアノコードが登場することはあまりありませんが、このコードが出てきた瞬間は非常に印象的な響きが感じられるでしょう。「ソ」にナチュラル記号が付けられているところに注目してください。月の光は「Dbメジャー」のキーで作られていますが、その中で登場するCマイナーコードの響きに耳を澄ましてみましょう。この素晴らしい曲も Skoove で練習することができます。

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ショパン「夜想曲第2番 変ホ長調(ノクターン)」

「Cマイナースケール上にあるコード」の項目で少し触れましたが、変ホ長調(Ebメジャーキー)とハ短調(Cマイナーキー)は近親調です。これは同じ調号を共有していることを意味します。そのため、Ebメジャーキーで作られているこの美しい「夜想曲第2番(ノクターン)」には、Cマイナーキーの和音がたくさん登場します。Skoove では、この曲を学ぶことができますので、 主調である「Ebメジャーキー」と近親調である「Cマイナーキー」がどのようにお互いを補い合っているかに注目しながら弾いてみましょう。

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Cマイナーコードのまとめ

Cマイナーコードは最もインパクトのあるコードのひとつです。その弾き方を学び、どのように転回させるかを理解することは、ピアニストにとって不可欠なスキルです。Cマイナーの構造を学び、その背景にある理論が分かれば、他のキーやコード進行にも応用できるようになります。Skoove の無料トライアルでは、Cマイナーコードだけでなく、その他の興味深いマイナーコード進行を使用した曲をたくさん弾くことができます。

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このブログ記事の著者

 

アルヴィン・シップは、オレゴン州ポートランド出身のマルチインストゥルメンタリスト、作曲家、演奏家、プロデューサー、教育者です。現在はドイツのベルリンを拠点に活動しています。アメリカとドイツで幅広く活動し、これまでに15枚以上のアルバムをリリースしました。現在、フリーランスの作曲家、ミキシング&マスタリングエンジニア、教師として活動しています。

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